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執筆者の写真Tami Tomioka

『月感詞の世界』

更新日:2023年7月27日

KIN42 白い電気の風

新月ですね。

ハレ暦を始めて使われた方は、月感詞って何?この文字は何?暦と何の関係があるの?と思われているのではないでしょうか?

いつも使っているかたも、月のキーワードと文字を見て感じることはあっても

詳細はなかなかわかりにくいですよね?

そこで、こんな場所と機会をいただいたので、月感詞について少し詳しく出来ればわかりやすく、解説をして行こうと思います。


月感詞の文字は「甲骨・金文文字」です。

漢字はここから生まれました。

約3200年前、中国の殷王朝が、占いにカメの甲羅の腹や牛の肩甲骨などに文字を刻した甲骨文字が始まりです。

その後、殷から周の時代にかけ、青銅器に文字を鋳込んだ金文があり、秦の始皇帝が統一した小篆という字形に。漢の時代には現在使用している漢字にほぼ近い書体(約1800年前)が生まれました。

紀元100年頃、後漢の許慎という人がそれまでの漢字を体系化して『説文解字』という本にまとめました。『説文解字』は以来長く漢字の聖典として扱われ、日本でもこの『説文解字』をもとにして今も漢和辞典が作られています。


ところが1998年に、殷時代の甲骨文字が地中から発掘されて解読作業が進むと、『説文解字』には多くの間違いがあることがわかってきました。

許慎の頃は文字資料が小篆しかなく、それ以前の甲骨・金文文字はほとんど地中にあったので、多くを見ることができなかったからです。

この文字を読み込み、研究し体系的に解き明かしたのが日本の漢字学者白川静さんです。そして『字統』『字通』『字訓』という辞書を作りました。

白川さんが亡くなってすでに10年以上経っているので、さらに新しい甲骨・金文が発掘されています。ですので、完全というわけではありませんがそれでもなお、この辞書と考え方は素晴らしいと思っています。

ご縁があって、いまでは白川文字学の勉強会「白川静会」に参加しています。

原初の文字、卜占、神様事。 文字の初めは神との交信だったと思うと、ハレ暦にフィットしたものに思えてきます。


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