惑星の月によせて
- Tami Tomioka
- 4月4日
- 読了時間: 3分
10番目
惑星(イヌ)の月
桜の季節になりました。ですが全国的に天気は不安定で寒く、見頃の桜を
鑑賞するタイミングがつかめないまま、散り始めています。
桜が老木になり、枝を切っているものが多いので、見応えも少しなくなって
寂しい限りです。
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惑星の月
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キーワード:表明・仕上げる・生み出す
月感詞:「公」(コウ、オオヤケ、キミ)
熟語:公共・公然・公平・公正・公務
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宮廷の中の儀礼を行う式場の平面形。
おおやけというものにはよくこの「公」という文字が使われています。
先月の太陽の月「源」。そこで掬い上げたミナモトにある思いを公然
(一般に伝わるようにおおっぴらにする)と伝えるように積み上げて行く
28日になれば良いと思います。
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変化を恐れず、失敗を恐れず。
新学期や新生活が始まり、周りの環境も変わった今が大きなチャンスです。
いままでのしがらみに決着をつけ、新しいステージに向かって進んでいく
のもひとつでしょう。
何か新しいことを始めるのも、始めようと思うのも大切だと思います。
言葉にすること、書き記すことは大事なことです。書くことや人に
伝えること(表明すること)で自分自身の気持ちの整理をつけ、
本当にやるのだという気合いも入ります。誰にも言わずにどこにも伝え
ずに、自分の頭だけで考えていたことは、諦めることも容易いです。
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達成できなくても、その課程はまた別の何かを生み出し、違う道しるべ
が見えてきます。
継続することは才能だと思います。どんな些細なことでも、自分がやって
みようという気持ちを自分で止めないでください。
★『ミラノ 霧の風景』 須賀敦子(白水社)
エッセイ集です。須賀敦子さんは兵庫県生まれで大学を卒業したあと、
フランス、イタリアで学び、イタリア人の男性と結婚しました。夫が早逝
したあとは、日本に戻りイタリア文学の翻訳や大学で教鞭をとっていました。
この、『ミラノ霧の風景』は日本オリベッティ株式会社の広報誌『スパッティオ』
に連載されたものが大半で、須賀さんの処女エッセイです。
これが出版されたのは須賀さんが50才を超えたあとで、とんでもない新人が
でてきたと当時言われたそうです。文章は洗練されていてとても素晴らしいです。
ひとつひとつの章はそれほど長くないのですが、どれも際だっていて景色が
流れるように浮かび、その場に自分がいるような気がします。
イタリア生活でのことがメインで、亡くなった夫や生活、人の思い出が
淡々とそれでいて印象的に語られています。
残念ながら、小説は書かれずに亡くなってしまいました。
霧の向こうの世界へ行ってしまった人達に、思いを馳せながら書いている
気持ちが伝わってきます。
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