4)自己存在(フクロウ)の月
四番目の月です。
相変わらず寒暖の差がある、季節感がはっきりしない日々が続いて
います。
皆様は体調を崩していないでしょうか?
自己存在の月も5日過ぎてしまいました。
この月に入ってから本当に忙しく、今日まで何も手がつけられませんでした。
いったい何がこんなに忙しいのだろうと不思議に思っているところです。
それこそが自己存在の月なのか、検証してみたいと思っています。
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自己存在の月
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キーワード:形・明らかにする・測る
月感詞:『恒』(コウ、ツネ)
熟語:恒久・恒常・恒例・恒星・恒心
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もとの字は亘で弦つきの弓を張るような状態をいう。満ち欠けを
繰り返しながらも消滅することがないので、「つね、ひさしい」の意味に
つかう。
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ずーっとかわらないこと。一定の状態を保ち、そこにあること。
電気の月で繋がったご縁や意識を、安定した状態で持ち続けることで、
その繋がりをなお一層、感じられる様な気がします。
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気持ちも関係も維持することは大変です。
人同士の関係は、お互いの状況や想いによって流動的です。
ふとしたことで、繋いだ関係を手放してしまうかもしれません。
自分だけが、自分がと思ってしまうと積み重ねてきたものが、
簡単に崩れてしまいます。
反対にずっと離れていた人と、何かのタイミングで元の通り、あるいは
新しいもっと親密な関係になるかもしれません。
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時代に沿って変わっていくことと、変わらずにずっと持ち続けていく
こと、この二者は反対のことではなく、並行して良いのではと思います。
そうやって続けていけることができればと思います。
★『ギリシャ語の時間』 ハン・ガン (晶文社) 斎藤真理子訳
ハン・ガンは先日、ノーベル文学賞を受賞した韓国の女流作家です。
2016年、アジア人作家として初めて英国のブッカー賞を受賞しました。
『菜食主義者』が一番有名でしょうか。でもなんとなく私はこちらの
『ギリシャ語の時間』が好きです。
ある日突然言葉を話せなくなった女性は、失われた言葉を取り戻すために
古典ギリシャ語を習い始める。ギリシャ語講師の男は次第に視力を失っていく。
二人の出会いと対話のお話です。淡々と二人の会話が続いていくのですが、
徐々に失っていく視力、失語症の女性。弱い喪失感のある二人が出会い、
相手を見ながら、自分を見ているような。なんともムズカイシイのですが、
それでもすっと懐に入ってくる感じがします。作者は「この本の結末は開かれて
いる」と言っています。そして「生きていくということに対する、私の最も明るい
答え」だとも。一夜をともにした二人がその後どうなっていくのか、いかないのか。
上質な音楽を聴いているような読後感がしました。
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